2020 Winter Term
GSS102 Religion and Gender
宗教とジェンダー
  Language of Instruction: J
  堀江 有里 (HORIE, Yuri)


CREDIT (単位): 2
Period(s)
時限数
Lec.(講義) Sem.(演習) Lab.(実験実習) Exe.(実技) Intensive(集中講義)
2         
General Description (概要)
This course discusses inseparable relationship between religion and gender from various perspectives.

宗教とジェンダーの不可分の関係について、様々な角度から論じていく。




本講義は、現代社会における宗教をジェンダー(社会的・文化的に構築された性)の視点からの基礎的な知識をおさえることを第一の目的におく。また、後半ではキリスト教を重点的な事例として取り扱う。
宗教は、しばしば、女性役割を固定的にとらえる機能を果たしてきたことが指摘されてきた。そのなかで、とくにジェンダーの視点からみた場合、宗教研究におけるフェミニズムは、(1)宗教集団における男性中心主義への批判、(2)歴史経緯をみるなかで女性の存在や役割を掘り起こすことによる女性のエンパワメントという2側面からの知見を蓄積してきたといえる。本講義では、社会における宗教の位置づけ、宗教集団や制度のあり方、言説空間における宗教の表象などをとおして、そのような知見を学ぶ。また、具体的な宗教集団におけるフェミニズムの実践についての事例も考察する。
なお、本講義では、ジェンダーと不可分の概念として、セクシュアリティの視点も取り入れ、性別二元論や異性愛主義という規範についても検討する。


 
Associated abilities in the ICU Diploma Policy / 関係するICUディプロマ・ポリシー上の能力

 
Learning Goals(学習目標)


本講義では、宗教についてジェンダーの視点からの基礎的な知識を身につけること、また、その知見が現代社会を読み解く上でどのように生かされうるかを思考する力を身につけることを目標とする。

 
Contents(内容)


以下の内容に沿って進める。
講義形式で実施するが、必要に応じて、ディスカッションを取り入れる予定である。

1.序論:ジェンダーの視点でとらえる宗教・宗教現象
2.日本における宗教とジェンダー(1):神道
3.日本における宗教とジェンダー(2):仏教
4.宗教への偏見と性差別(1):新宗教
5.宗教への偏見と性差別(2):イスラーム
6.キリスト教とジェンダー(1):フェミニスト神学の思想と実践
7.キリスト教とジェンダー(2):性差別をめぐる事例研究
8.キリスト教とジェンダー(3):クィア神学の思想と実践
9.キリスト教とジェンダー(4):異性愛主義をめぐる事例研究
10.授業内試験

また、受講生の理解度や問題関心により、順序や内容を入れ替える可能性があることをご承知いただきたい。



 
Language of Instruction(教授言語の詳細)
講義: 日本語
参考文献・教材: 日本語
試験・小テスト・課題: 日本語
ディスカッション・プレゼンテーション・その他: 日本語
教員とのコミュニケーション: 日本語

 
Grading Policy(成績評価基準)
期末授業内試験(70%)、コメントシートの提出と出席点(30%)により決定する。
(1)期末授業内試験:最終講義日に実施する。
(2)コメントシートの提出:提出回数により出席点を換算するが、内容についても評価対象として加味する。


 
Expected study hour outside class(授業時間外学習)
140 minutes per week.

 
References(参考文献)
テキストは用いない。
おもな参考文献は以下のとおり。また、その他については講義内で適宜紹介する。

田中雅一・川橋範子編著『ジェンダーで学ぶ宗教学』(世界思想社、2007年)
川橋範子・小松加代子『宗教とジェンダー・ポリティクス』(昭和堂、2016年)
川橋範子『妻帯仏教の民族誌:ジェンダー宗教学からのアプローチ』(人文書院、2012年)
川橋範子・黒木雅子『混在するめぐみ:ポストコロニアル時代の宗教とフェミニズム』(人文書院、2004年)
辻上奈美江『イスラーム世界のジェンダー秩序:「アラブの春」以降の女性たちの闘い』(明石書店、2014年)
堀江有里『「レズビアン」という生き方:キリスト教の異性愛主義を問う』(新教出版社、2006年)
山口里子『虹は私たちの間に:性と生の正義に向けて』(新教出版社、2008年)


 
Learning Support Resources for Students (学生のための学修支援リソース)
If there are learning support resources that are especially recommended for this course, they will be listed below.
Here (ICU Internal page) is the list of learning support resources available at ICU.
このコースで特に利用を推奨する学修支援リソースがある場合、以下に記載されます。
ICUで利用可能なリソースの一覧はこちらです(学内ウェブサイト)

 
Notes(注意事項)


 
Schedule(スケジュール)
6/W,7/W

 
URL


 
ICU Policy on Academic Integrity / 学問的倫理基準に関する本学の方針 (レポートや論文執筆における留意事項)